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小説の更新記録
10月6日・黄笠3「とびらのむこう」
9月29日・黄笠・小説でも小話でもない、ただの妄想をつらつらと。
9月24日・黄笠2「つめたいて」
9月24日・黄笠1「あたためて」
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プロフィール
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夕凪紫雲(ユウナギレンゲ)
性別:
女性
職業:
育児主婦
自己紹介:
ただいま育児奮闘中。
特技は何でもBL変換すること。
人見知りオッサンであります~

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BL・女性向け・同人要素てんこ盛りな小説がおいてありますので、御注意ください
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黒バス
黄瀬 × 笠松

「あたためて」

タイトルの艶っぽさは微塵もない感じです。
笠松の言った言葉を聞き間違える黄瀬。


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 休日の体育館は、午前の練習を終えて人が居なくなり、静けさを取り戻していた。
 その代わりに賑わいだすのが、食堂だった。
 もちろん、食堂のおばちゃんたちは休みで料理などは出ないが、自動販売機や電子レンジなどあって、みんな持ち寄った物で昼食を取っている。

 他の部活部員たちに混ざって、バスケ部員も散らばっていた。

「センパイ、オレ弁当あっためてきますけど、なんか必要なもんあったら言ってください」
 開いていたスペースに座る笠松へ、黄瀬はいつもの語句を並べた。

「じゃあ、コレもあたためてくれ」
「え?!」
 笠松が差し出した弁当が見えていないのか、黄瀬は驚いた表情のまま動かない。
「おいっ、早くしろよ!」
 怒気の含んだ声にようやく我に返った黄瀬は、睨みつけてくる笠松とは真逆の感情を顔に見せていた。
 やわらかい笑みは、少し照れているようにはにかんでいる。
「いいんスか? 悦んで!!」
「ぅ……わッ!!」
 言葉と同時に笠松を抱しめた黄瀬は、至福の時に浸っていた。
「センパイ……」
「―――なにしてんだ、おまえは!」
 恥ずかしさにいた堪れない。暴れようにも、手にした弁当を無碍にもできず、笠松は自由の利く片手で懸命に黄瀬の体を引き離しにかかる。
「センパイが『オレもあたためて』なんて言ってくるから……」
「んなこと言うわけねぇだろ! 『コレも』だ! 弁当渡そうとしてただろーが?! ってか、早く離れろ!」
「えー。離れなきゃダメっスか?」
「あったりめーだろ?! こんなとこで何してくれてんだよ、まったく……」

「こんなところだから、これだけで我慢してあげてるんスよ」

 耳元で囁いてから体を離した黄瀬は意味深な笑みを満面に、笠松へと向けた。

「はぁ?」

 うんざり気に不機嫌な反応を見せた笠松には、どうやら伝わっていないようだ。

「男の子は、オオカミなんスよ~」
「はぁ? なに訳わかんねぇこと言ってんだ! 早く行ってこいよ!!」

 足をゲシゲシ蹴られながらも、黄瀬はニヤニヤが止まらない。
 まだほのかに残る笠松の温もり……。

 午後からの練習も、頑張れそうだ。



=終=



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