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小説の更新記録
10月6日・黄笠3「とびらのむこう」
9月29日・黄笠・小説でも小話でもない、ただの妄想をつらつらと。
9月24日・黄笠2「つめたいて」
9月24日・黄笠1「あたためて」
9月20日・斎左之9「くちづけの意味」


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プロフィール
HN:
夕凪紫雲(ユウナギレンゲ)
性別:
女性
職業:
育児主婦
自己紹介:
ただいま育児奮闘中。
特技は何でもBL変換すること。
人見知りオッサンであります~

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BL・女性向け・同人要素てんこ盛りな小説がおいてありますので、御注意ください
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新選組
斎藤一×原田左之助
「願いの行く先」 短文

壬生さんが設定した(? 生み出した?)この斎左之が大好きで、書かせてもらってます。
もしかしたら…壬生さんの設定とかけ離れたモノになっているのかも…。

年下鬼畜攻め×年上お馬鹿受け

沖田、斎藤、原田は同じ部屋だという前提ではじまります。
イチャイチャ程度の表現があります。


■■■■■■■■■
 



「うッ!」
 朝日がじわりと辺りに光りを与えはじめた頃、原田左之助はそんな清々しさに似つかわしくないくぐもった声を漏らした。
「総司……重い……」
 隣で寝ていた沖田総司が寝ぼけて抱きついてきたのだと思った原田は、胸に乗っかかる腕を一度は退かせたが、また返ってきた腕に諦めてそのままにした。
 何度もやると眠気が覚めてしまう。まだ惰眠を貪りたかった原田は重たさよりも密着された人の体温に心地よさをみつけて、知らずと言葉をこぼした。
「まっ、いいか……。温かいし」
 薄い掛け布団に身を丸めていた原田が寝返りをうつと、その腕は力を持って原田を胸に引き寄せ、旋毛に唇を埋めてきた。
 驚き気付いた頃にはもう遅く、蜘蛛の巣に捕らえられてしまった小さな虫のように絡めとられていた。
「さ、斎藤!?」
「おはようございます、原田さん」
 至福の時を迎えていた斎藤一はその事を伝えたくて、満面の笑みで声をかけた。だが、原田にはその気持ちは伝わらず、恐ろしさしか感じていない。
 笑顔の裏に隠された企みを見抜こうと、睨み上げ構える。
「退けろよ、重いだろっ」
「この方が温かいでしょ?」
 一瞬、心を読まれたのかと原田が動揺していると、斎藤の唇が軽く、額や頬に何度も触れては離れていった。
「お前な!」
 抗議し始めると眼前に唇を寄せてきたので、思わず目蓋を閉じた。だがしかし、距離から割り出した時間になっても目蓋に触れてこない斎藤のそれで、思わぬ所に刺激を与えられた原田は目を見開いた。
「! ッ―――――!!」
 斎藤の唇と重なり合った、原田の唇。
 原田は両腕ごと斎藤に抱きとめられた身体をもがいて抵抗するが、虚しく体力を削がれてゆくばかりだった。
(クソッ! 馬鹿力め!!)
 言葉にして放つ事のできない悪態を心の中で喚くが、その勢いとは逆に身体の力が抜けてゆく。
「ぅん…ふぁ、ン……」
 塞いでいた唇に割って入ってきた荒々しい斎藤の舌が、口内を犯し始めたのだ。
「―――――ぃとう、止めろッ、て!」
 一瞬の隙を突いて身体の自由を取り戻した原田は、懸命に腕を伸ばして斎藤の胸を押し離した。そんな原田の行動に荒れることなく、斎藤はいつもの落ち着いた声音を響かせた。「それって、『お願い』ですか?」
 一度離れた唇を再び触れ合わせない為に、原田は何も考えずに幾度も頷いた。
「じゃあ、ちゃんと私にお願いしてみてくださいよ」
「はぁ?」
 つかめない話の流れに目を丸くした原田は、何の示唆も与えてくれない斎藤の激しい口付けをまた受ける。快楽を煽るように貪る深いそれは、原田を知り尽くした者の動きだった。
(ヤバイ……)
 理性の限界を超えてしまう前に、原田は懸命に斎藤を押しのけ、荒い息の合間に声をしぼり出した。
「斎藤、やめ…おねがい……」
 めずらしく殊勝に告げる原田に斎藤はピタリと動きを止めて、ため息をついた。
「はぁ……、原田さん……」
「な、なんだよテメエはよぉ!」
 想像もしなかった斎藤の反応に、一気に素に戻った原田は恥ずかしさに喚く。
「賽銭投げても願い事を叶えてくれない仏様だっているんですよ? そんな世の中で、この私が、原田さんの可愛いお願いを叶えるわけないじゃないですか……」
「な、なにぃィイ―――――!!」
 身体の力が変に抜けてゆく。その胸に顔を持っていった斎藤は、想像を超えた原田の言動に満悦の笑みをあふれさせていた。

「バカヤロォ――――――!!!!!」
 斎藤に対してなのか、はたまた引っ掛かってしまった自分に対しての言葉なのか。
 どちらにしろ――。
 晴れやかに明けた一日の始まりに、屯所内に居たすべての者の寝覚めを襲ったに違いない。

 

=終=

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